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美濃 中尾砦 🏯笠置峡を見澄ます孤壇の砦

美濃 中尾砦(中尾丸) (岐阜県恵那市長島町久須見中尾・丸)

木曽川が深い峡谷となって続くこの地域一帯は未だ秘境地帯といってよいでしょう。
発電用ダムの適地として大井ダム、笠置ダム、丸山ダム、兼山ダム等が建設されました。
嵩上げされた峡谷内部に取り残され、人知れず眠っている城砦も多いのです。

nakaomaru (1)
恵那峡~笠置峡~深沢峡~蘇水峡と続いていきます。

今回はそんな中でも比較的寄り付き易い中尾砦、通称「中尾の丸」を紹介したいと思います。
久須見集落の本郷から木曽川左岸のせま~い林道をひたすら進みます。(落石、木の枝、散乱)
行った先は行き止まりですが民家が数軒あります。

nakaomaru (2)対岸から見るとわかりやすい岩山尾根が中尾の丸。

nakaomaru (3)
途中、沢にかかるコンクリート橋の袂に車を駐車(軽自動車ならOK)、登って行きます。
※地元集落の方々が使われる唯一の連絡手段道、邪魔にならないように・・。

予想どおり登山道はなく、足元の悪いゴツゴツ斜面をほぼ直登することに。
木を掴み、岩をたぐり、全身ストレッチしながらのクライミング(これはお好みで)。
谷川にそった奥から登った方が登りやすいようです。

nakaomaru (14)
こんな切り立った崖もありスリリング。

nakaomaru (4)
尾根状先端部に到着すると物見岩に恰好の岩があります。(木曽川筋がよく見えます)

nakaomaru (5)
尾根先端部の堀切状の遺構。

ここから主郭部に向かって何段かの小さな曲輪が配置されています。
スロープ状になった連絡道も見られ、曲輪間との繋がりがみられる配置になっています。
全体的に細い岩尾根をよく幅を確保して普請した感を受けます。

nakaomaru (12)
法面の切岸もよくかけられています。

nakaomaru (13)
主郭部周囲の帯曲輪を武者走りで連絡できています。

nakaomaru (7)主郭部(本丸)周囲の切岸。

nakaomaru (6)
一部では石垣の址も見受けられますが、現地での調達石を積み上げたものでしょう。

nakaomaru (11)背後を断ち切る驚愕の大堀切。

幅は10メートル、深さも8~9メートルはあろう、大堀切です。
しかも両端部は竪堀となって深い谷底まで続いています。
この強烈な遮断意識はなんなのでしょう!

nakaomaru (10)
大堀切から続く竪堀南側。

nakaomaru (8)
同じく大堀切から続く竪堀北側。

いずれも丸型彫刻刀で「ザックリ」と削り落としたような大竪堀です。
目視できる限り下まで続いているようですので、それぞれの終了先端部まで降りてみます。
長~い竪堀であることも判明しました。(往復キッツイ・・)

nakaomaru (9)中央には土橋が架けられ背後の山へとの連絡道が確保されています。

木曽川方面からの明瞭な登山道がないのに対して、尾根筋には明瞭な筋道が・・。
背後の峰頂上まで登ってみましたが、頂上にはこれといった城郭遺構はありませんでした。
・・しかし地形図上では、ある城へとつながっていることがわかりました。

この事に関してははまた後日・・。
作図した縄張り図を図示します

nakamaruzu.jpg細尾根上にはその地形故からか、この砦の特徴が詰まっています。

まず、非常に等高線が密になっているように断崖上の細尾根に築かれていることがわかります。

1.主郭部にも居住スペースは確保されていないようです。
2.物見岩(尾根先端部)からは木曽川の上流・下流の眺望が非常によく利きます。
3.等高線に沿うように帯曲輪を取り巻いています。
4.各導線にスロープを利用したパターンを採用しています。

中尾砦の城主や城歴はよくわかっていません。
しかし、この地に築城した理由があるはずです。
地表面の観察からはある程度のメッセージを受け取ることができそうです。

複数のダム建設によって河川沿いの集落間の交通は寸断されました。
地図上で木曽川右岸に唯一確認される国道(418号)も今や酷道。
笠置ダム~深沢峡間は復旧の見込みもない通行止めになっております。
(新丸山ダム建設による嵩上げでこれも水没予定)

古くからの河川交通の形跡は消滅し、周辺一帯は時が止まったかのよう。
そんな中、確かな形跡と僅かな伝承で伝えられる城砦。
丹念に調べていくことで新たな発見があるやもしれません。

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はじめまして。

えいきさま、コメントいただきましてありがとうございます。
お名前はらんまるさんのブログ記事から拝見させていただいたこと度々です。

えいきさんのブログの記事を読ませていただきまして、私こそ大変驚きました。
この砦の見所といい感じ方といい、カメラアングルといいほぼ同じ感覚での捉え方に驚愕してしまいました。

自分は以前、県の機関の依頼をいただきまして、この砦の調査担当を頂いた者です。「地名のみで、ガセネタであろう」、と登ってみた所、身震いするほどの遺構が残り感動したものです。

今後ともご教示いただければ幸いに存じます。


はじめまして

新潟のえいきと申します。私もこの砦に魅かれ、歩いてきました。
私の他に、このような砦を記事にする方がおられることに驚き、コメさせていただきました。
プロフィール

 久太郎 (Q-tarou)

Author: 久太郎 (Q-tarou)
ようこそいらっしゃいました。
久太郎と申します。
「城跡が好き」
ただそれでけでブログを立ち上げている城好き若輩者です。
おかげさまで開設以来3年目を迎えることができました。

地元の岐阜県内美濃地方の城址を中心に自分なりの想いを込めてじっくりと巡ってまいります。たまに遠征なんかにも出かけます。

時に「ゆるく」時に「鋭く」五体と五感をフル回転。城址での様々な出会いと独自の感覚を大切にしてつづっていきたいと思います。

また城址付近のダムや棚田、名水といった気持ちを揺さぶられる箇所にも寄り道していきます・・。
趣味のマラソンも自分のペースで好きなように走ってます。

どうかご笑覧くださいませ。

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